印鑑証明とは
印鑑証明とは、売買契約や登記などの際、要求される証明書。契約書に押印するその印が、実印として区市町村役所に登録されたものであることを証明するもの。正式には「印鑑登録証明書」と呼ばれています。
印鑑登録は、原則的に本人が、登録したい印鑑と、自分が誰であるかを証明できるもの(免許証、パスポート、外国人登録書など)を該当区市町村役所に提出すればすぐに登録され、その場で印鑑登録証が交付されます。以後、印鑑証明が必要なときは、この印鑑登録証と、身分証明書を持参して交付の申請をすれば、印鑑証明が交付されます。
主に不動産・マンションや自動車の売買、公正証書を作成したりする時に使う大変貴重な証明書で、印鑑証明書とは、登録印鑑が地方公共団体に登録されているものであることを証明するためのものです。車を買う時に初めて「印鑑証明書を用意してください」ということを聞く人が多いかもしれません。
実印や印鑑証明書が重要であるかと言うと、地方公共団体により、「本人が登録した印鑑」であることが証明されているからです。つまり、信頼できる第3者が本人の印鑑の正当性を保証しているのです。
この印鑑証明書ですが、実は少し変わった証明書で住民票のように発行の理由は聞かれません。そして、証明書を発行してもらうまでに、まず「印鑑登録」というのをしなくてはなりません。この印鑑登録」というのは、自分が届け出る「ハンコ」をつまり「自分だけの印鑑」を登録するためのものです。「自分だけの印鑑」を作って必要書類などを用意して、役所に行って、印鑑を登録して、「印鑑登録」は終了となります。この段階で登録した印鑑は実印になります。
印鑑証明が必要な手続き
印鑑証明書が必要な手続とはいったいどんな手続を簡単に紹介すると
1.土地などの不動産を売ったり買ったりするとき
2.自動車を買ったり、売ったり、譲ったりするとき
3.マンションなどの、重大な賃貸借契約をするとき
4.保険金を受け取るときにその届出印がないとき
5.ゴルフ会員権を譲り渡す契約をするとき
6.公正証書を作成するとき
7.相続で遺産分割協議書を作成するとき
などで、多額の金銭が絡む契約などに、間違いなく本人であるという証明、間違いなく本人の意思によるものという証明という意味で使われることが多くなっています。
印鑑証明というのは、「これがこの人の印鑑に間違いありませんよ」という役所のお墨付きなのです。
印鑑証明の将来
――2001年4月、電子署名法が施行されました。これは、電子署名に実印を押したのと同じ法律上の効力が認められるようになったことを意味しています。これまでは、実印、印影、印鑑登録証明書が、本人であることを証明する重要な砦でしたが、今日のネット社会では、これに代わり、秘密鍵、公開鍵、電子証明書が、本人を確認することになりました。近い未来、印鑑証明が必要なくなる日が来るのかもしれません。
pickup
Last update:2022/6/23